Date:2022年12月11日(日)
Peformer:庄司紗矢香, Violin / ジャンルカ・カシオーリ, Piano

庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ
ヴァイオリン&フォルテピアノ デュオ・リサイタル
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ / ファンタジア Wq.80 (H.536)
Cart Philipp Emanuel Bach / Fantasia Wq.80
J.S.バッハの次男であるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、古典形式寄りで父親よりシンプル、そして何よりも美しくエモーショナルな音楽で、生前は父をもしのぐほどの評判を得ており、モーツァルトからも高く評価されていた。ファンタジアはそんなカール・フィリップの特徴を凝縮したようなジャンルであり、大胆な和声進行も聴きどころである。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト / ヴァイオリン・ソナタ 第42番 イ短調 K.526
Wolfgang Amadeus Mozart / Violin Sonata No.42 in A major K.526
モーツァルトが完成させた最後のヴァイオリン・ソナタ(この後に「小ソナタ」を1曲作っている)であるK.526は、歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の作曲時期でもあったためか、非常に意欲的で規模の大きい作品に仕上がっている。当時の伝統的なスタイルであった「ヴァイオリン付きピアノ・ソナタ」から脱却が明らかに意図されており。ヴァイオリンとピアノがあくまで対等に音楽を作り上げるその様は、ベートーヴェンへの系譜をも感じさせる。
第1章 アレグロ・モルト
第2章 アンダンテ
第3章 プレスト
)ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト / ヴァイオリン・ソナタ 第34番 変ロ長調 K.378(317d)Wolfgang Amadeus Mozart / Violin Sonata No.34 in B-flat major K.378(317d)確実な資料は残されていないものの、1777年にマンハイム、78年にはパリに滞在していたモーツァルトが帰国した後、ウィーンへ移住した頃に作曲されたと考えらている。当時の欧州音楽界で特に優美なことで知られれいたマンハイム音派、そして華やかなパリの影響を感じさせる。極めて優雅な雰囲気を持つソナタで、数多くあるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの中でも特に演奏機会の多い一曲である。
第1章 アレグロ・モデラート
第2章 アンダンテ・ソステヌート・エ・カンタービレ
第3章 ロンド:アレグロ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン / ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 op.24 「春」
L.V.Beethoven:Violon Sonara No.5 in F major op.24 “Spring”
ベートーヴェンの書いたヴァイオリン。ソナタはこのジャンルにおけるそれまでの作品とは異なり、2つの楽器が平等に扱われれるという点で大きな存在意義を持っている。冒頭からヴァイオリンとピアノが代わる代わる主題を奏する第5番「春」はその典型である。なお「春」の題名はこの曲のもつ伸びやかな明るさや幸福感により付けられた通称で、作曲家自身によるものではない。第3楽章にベートーヴェンの創始となるスケルツォが取り入れられるのも注目される。
第1章 アレグロ
第2章 アタージョ・モルト・エスプレッシーヴォ
第3章 スケルツォ:アレグロ・モルト
第3章 ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ