Date:2025年04月05日(土)
Orchestra:FAF ORCHESTRA

J.シベリウス ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン独奏: 渡辺 紗蘭
ヴァイオリン協奏曲は、有名な交響曲第2番と緊密・簡素でより幽玄な作風へと変遷する交響曲第3番の間に作曲され、1904年にシベリウス自身の指揮により初演されました。しかし、翌年にブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴いたシベリウスは、その重厚なオーケストレーションに感銘を受け、今日演奏されている版に書き直しました。シベリウスが妻に宛てた手紙の中で「ブラームスのヴァイオリン協奏曲は交響的過ぎる」と述べているように、ブラームスの影響をそのまま投影させたものではなく、枯淡で室内楽的な響きも重視されています。
同年、シベリウスより1つ年上で、既にドイツ音楽界の重鎮となっていたR.シュトラウスは「シベリウスは素晴らしい作曲家だ」と称賛しましたが、シベリウスの音楽特有の晦渋さもあり、しばらくの期間は演奏の機会に恵まれませんでした。
第1楽章 アレグロ モデラート(他)ニ短調 自由なソナタ形式
第2楽章 アダージョ ディ モルト 4/4 拍子 変ロ長調3部形式
第3楽章 アレグロ マ ノン タント ニ長調 ロンド形式
デンマーク人の作曲家カール・ニルセン。6つの交響曲のうち1902年に初演された初期の作品。
4つの気質とは、古代ギリシャの医師であるヒポクラテスが提唱した医学理論「4体液説」に基づくもので、人間の健康は4種類の体液とその気質とは、「荒々しい性格の黄丹汁質」「無垢で穏やかだが優柔不断で無気力な粘液質」「寡黙でメランコリックな黒胆汁質」「社交的で楽観的な多血質」です。それぞれこの交響曲の4つの楽章に当てはめ、各楽章には4つの気質に対応する表現記号が書かれています。4つの楽章が全く異なったキャラクターで書かれていることは、この作品の魅力の一つとなっています。